採用媒体のアカウントを複数人で使うときの権限と共有 ID
担当者ごとの ID を発行できるかは媒体で分かれます。発行できる媒体には権限の種類があり、1 つの ID を全員で使う媒体もあります。退職時に何を操作するかも媒体ごとに違います。
採用媒体の企業アカウントを複数人で使うとき、決めることは 3 つです。担当者ごとの ID を発行できるか、どの権限を付けるか、退職や異動のときにどう外すかです。答えは媒体ごとに違うので、公式ヘルプで確認できた媒体を表にしました。人事・採用のアカウント全体の考え方は人事・採用のアカウント管理にまとめています。
媒体ごとの違い
| 媒体 | 担当者ごとの ID | 権限の種類 | 退職時に外す操作 |
|---|---|---|---|
| Indeed(採用担当者向けの管理画面) | 発行できる。「登録ユーザー」からメールアドレスで追加する | 用意された役割(管理者、高度なアクセス、標準アクセス、制限付きアクセスなど)から選ぶか、権限を一つずつ組み合わせる(カスタム)。制限付きアクセスは特定の求人の応募者だけを扱える | 「登録ユーザー」で、「アクション」の列にある 3 点のアイコンから「削除する」を選ぶ。権限の変更も同じアイコンから行う |
| doda(採用支援システム doda CONNECT) | 発行できる。「アカウントを管理」の「ユーザーと権限」から追加する | 管理者(1 名のみ)、管理者代理、通常ユーザー、参照ユーザーの 4 種類 | ユーザー編集画面の「ユーザーの削除」。管理者は削除できない |
| Wantedly(会社アカウント) | 発行できる。社員の Wantedly 個人アカウントを、招待リンクか招待メールで会社アカウントに紐づける | 全体の権限は管理者とメンバー。採用サービスの権限は管理者、担当、メンバー、なしの 4 種類 | 「メンバー管理」でそのメンバーを選び、ゴミ箱マークで紐付きを解除する |
| ビズリーチ(法人向け) | 担当者ごとの発行の可否と権限は公式 FAQ に記述がなく、アカウント数だけ「上限は設けておりません」とある | 公式 FAQ に記述なし | 公式 FAQ に記述なし |
| Green | 発行できない。管理画面の ID とパスワードは各社 1 つで、利用者ごとの発行も管理者権限の追加も受け付けていない | なし。複数人が同時にログインできる | 公式ヘルプに記述なし。ID が 1 つなので、パスワードの変更になる |
| engage | 発行できない。複数のアカウントを発行する機能はない。店舗や拠点ごとに、別のメールアドレスで別のアカウントを作ることはできる | なし。1 アカウントにメールアドレスは 1 つ。メーリングリストを設定すれば通知を複数人で受け取れる | 公式ヘルプに記述なし。パスワードの変更になる |
発行できる媒体にも、人数と権限の条件があります。Wantedly は管理画面にアクセスできる人数が契約プランで決まります。公式ヘルプではライトプラン 15 人、スタンダードプラン 30 人、プレミアムプランは無制限で、数えるのは採用の「管理者」と「担当」の合計です。doda の権限は、人材紹介サービス向けのマニュアルに載っているものです。管理者は 1 名だけで、管理者代理から下は人数の制限がありません。Indeed は、追加する相手が Indeed に登録済みのメールアドレスを持っていることが条件です。役割の選び方はIndeed の企業アカウントを採用代行や社内の複数人で使うときのユーザー管理にあります。
権限をどう選ぶか
権限は、任せる業務に要る範囲に合わせて選びます。応募者の氏名や連絡先を検索できる一覧は、個人情報保護法の個人データに当たると読めます。23 条は、個人データの漏えい、滅失、毀損(なくしたり壊したりすること)を防ぐために必要かつ適切な措置を求めています。使う人と見られる範囲を限ることがその措置に含まれる理由は、個人情報保護法の安全管理措置をアカウント管理に当てはめるにまとめています。
見せる応募者を絞れる権限は、公式ヘルプで確認できたかぎりでは Wantedly の「担当」と Indeed の「制限付きアクセス」です。Wantedly で担当に設定された人が確認できるのは、「未対応」の候補者と、自分が担当に設定された候補者だけです。Indeed の制限付きアクセスは、特定の求人の応募者だけを扱える役割です。面接官や部門の担当者のように、一部の応募者だけを見ればよい人には、これらの権限を付けます。
doda の権限は、見せる応募者ではなく、使える操作を絞ります。参照ユーザーは、応募者・求人・原稿と、各種設定のうち人材紹介会社管理と設定情報確認を見るだけの権限で、スカウトの送信はできません。doda には、見られる応募者を一部に絞る設定は公式ヘルプにありません。
アカウントの追加と削除ができるのは、Indeed の管理者、doda の管理者と管理者代理、Wantedly の全体の管理者です。doda では申込管理も請求管理も通常ユーザーが使えて、管理者・管理者代理と分かれるのはマスタ管理とユーザー管理だけです。doda のマニュアルは、「他の求人に関する情報を見られたくない」などの事情がなければ管理者代理にしておくとすべてのページが見られて便利だ、と書いています。便利さを取るか、見られる範囲を絞るかは、その担当者が応募者情報を扱う必要があるかで決めます。
応募者情報のダウンロードだけを止める権限は、公式ヘルプで確認できた媒体にはありません。出力してよい人と目的を運用で決め、誰がいつ何件出したかを残すことになります。決め方は応募者情報の持ち出しを防ぐアクセス管理にあります。
担当者ごとに分けられない媒体をどう使うか
IPA の「組織における内部不正防止ガイドライン」(第 5 版)の対策 7 は、利用者ごとの ID を個別のパスワード等で認証するよう求めています。Green と engage は ID が 1 つしかないため、この求めを媒体の中では満たせません。共有 ID だと誰が操作したかを識別できない理由は、オンボーディング・オフボーディング(アカウントの観点)とはにまとめています。
そこで、媒体の外で 3 つを決めます。使ってよい人の一覧、誰がいつ使ったかを残す方法、辞めた人が出たときのパスワードの変更です。決め方は担当者ごとに分けられないアカウントの扱いにあります。
どちらの媒体にも、入れる場所を絞る設定はあります。engage の公式ヘルプは、管理画面へのアクセスを特定の IP アドレスに限る IP 制限機能の設定手順を示しています。Green の公式ヘルプにも、指定した IP アドレスからだけログインできるログイン IP アドレス制限設定があります。使った人は分かりませんが、社外や自宅から共有 ID で入られることは止められます。
パスワードの変更と配り直しを繰り返したくない場合は、パスワードを見せずに使わせる方法があります。共有アカウントを複数人で安全に使う方法の比較が、手作業の台帳、パスワードマネージャー、ID 管理サービス、アクセス管理ツールの 4 つを比べています。
退職・異動のときに外す操作
外す操作は上の表のとおりですが、媒体ごとに先に済ませておくことがあります。
doda では、管理者の担当者が辞めるときに、退職前に管理者情報を別の人に変えます。管理者は削除できず、管理者情報を変えられるのは管理者だけだからです。削除したユーザーは復元できないので、記録が要るなら削除の前に出しておきます。
Wantedly では、辞める人が投稿したストーリーの投稿者を別のメンバーに変えてから、紐付きを解除します。個人アカウントが削除されると、その人が作成したストーリーも削除されるためです。全体の管理者は最低 1 名要るので、辞めるのが唯一の管理者なら先に引き継ぎます。
Green と engage は ID が 1 つで、止める操作そのものがありません。パスワードを変えて、残る人に配り直すことになります。
どの媒体でも、外したことを確かめる材料は、その媒体のユーザー一覧です。退職の手続きにアカウントの項目を入れ、媒体ごとに誰が外すかを決めておくと、一覧との突き合わせが退職日にできます。手続きの組み立ては入社・退職時のアカウント管理チェックリストにまとめています。
よくある質問
担当者ごとに ID を作れない媒体はどう使いますか
使ってよい人の一覧を持ち、誰がいつ使ったかを残す方法を決め、辞めた人が出たらパスワードを変えます。パスワードを見せずに使わせる仕組みに替える選択肢もあります。
権限はどれを選べばよいですか
任せる業務に要る範囲です。見られる応募者を絞れるのは Wantedly の「担当」(候補者ごと)と Indeed の「制限付きアクセス」(求人ごと)です。doda の参照ユーザーは、使える操作を絞る権限です。
管理者の担当者が退職するときは何をしますか
doda の管理者は 1 名で削除できず、管理者情報は管理者しか変えられません。Wantedly は全体の管理者が最低 1 名要ります。退職前に別の人へ引き継ぎます。
退職者の ID は削除と無効化のどちらがよいですか
doda は削除すると復元できません。記録の扱いは公式ヘルプに書かれていないので、必要な記録を出してから削除します。Wantedly は紐付きの解除になります。
Junify の場合
- 人手で続けると
- 採用媒体や人事システムのアカウントを担当者ごとに分け、応援要員や採用代行の出入りのたびに発行と停止を行い、応募者の情報に誰が触れたかを残し続けることになります。
- Junify なら
- Junify は、担当者ごとに ID を発行できない媒体の企業アカウントを、管理者が登録して担当者に割り当てる仕組みです。担当者はパスワードを知らないままクリックでログインし、誰が・いつ使ったかは一人ひとり残ります。退職や異動のときは、管理者が割り当てを外すだけです。
参考資料
- Indeed「ユーザーの追加・管理方法 - アカウント管理 -」(Indeed の使い方 採用担当向け)
- Indeed 採用企業ヘルプセンター「ユーザーとアクセス権限の概要」
- Indeed 採用企業ヘルプセンター「ユーザーの追加とアクセスレベルの設定」
- パーソルキャリア「doda CONNECT ご利用マニュアル【人材紹介サービス向け】」(2026 年 4 月版)
- Wantedly ヘルプ「権限について」
- Wantedly ヘルプ「会社アカウントへのメンバー追加について」
- Wantedly ヘルプ「メンバーと会社アカウントの紐付きを解除したい」
- Green サポート「アカウントを追加したい(社員を招待したい)」
- Green サポート「アカウントの管理者・利用者を増やすことは可能ですか?」
- Green サポート「ログイン IP アドレス制限設定について知りたい(セキュリティ)」
- engage サポートセンター「管理画面を複数名で閲覧したいがどうしたらいいか」
- engage サポートセンター「同一法人で複数のアカウントを作成することはできますか?」
- engage サポートセンター「IP 制限機能を利用したい」
- ビズリーチ「よくあるご質問|法人向けビズリーチ」
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov 法令検索)
- IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」第 5 版(2022 年 4 月)
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