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人事・採用のアカウント管理

採用代行(RPO)に媒体アカウントを渡すときの整理

渡し方は 3 つです。媒体の委託先向けの手続きを使う、委託先の担当者に ID を発行する、共有 ID を渡す。応募者情報を扱わせるなら個人情報保護法 25 条の委託先の監督が要り、契約、記録、終了時の回収を決めます。

更新日 2026-09-18

採用代行(RPO)に媒体のアカウントを使わせるとき、先に決まるのは渡し方ではなく、その媒体が社外の利用を認めているかです。認めていれば、渡し方は 3 つに分かれます。媒体が用意する委託先向けの手続きを使う、委託先の担当者に自社のアカウントの ID を発行する、共有 ID を渡す、です。どの渡し方でも、委託先が応募者の情報を見る以上、個人情報保護法 25 条の委託先の監督が要ります。監督の中身は委託先の監督とはにまとめているので、この記事は採用媒体に固有の点だけを扱います。

媒体の規約と仕組みを確かめる

Indeed、doda(doda CONNECT)、Wantedly、Green、engage の 5 つのうち、公式ヘルプで社外の利用に触れているのは Wantedly だけです。「Wantedly で契約を締結している法人以外の第三者」の利用は、利用規約で禁止しています。「代行利用に関する覚書」を締結すれば、別の企業が会社アカウントにログインして運用できる、としています。Wantedly Partners 認定企業が運用代行を行う場合は覚書が要りません。覚書は、契約企業と代行利用企業それぞれの会社名・住所・代表者名をお問い合わせフォームで送ると、Wantedly が草案を作り、電子契約で締結します。

Indeed、doda、Green、engage の公式ヘルプには、社外の利用についての記述がありません。記述がない媒体では、委託先の担当者を登録してよいかを規約と営業担当に確かめてから発行します。そもそも担当者ごとの ID を発行できない媒体では、渡すなら共有 ID になります。媒体ごとの発行の可否と権限の種類は採用媒体のアカウントを複数人で使うときの権限と共有 IDにあります。

3 つの渡し方と 25 条の当てはめ

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)3-4-4 は、個人データの取扱いの委託を「契約の形態・種類を問わず」他の者に個人データの取扱いを行わせることとしています。例に挙げているのは、入力、編集、分析、出力等の処理の委託です。採用代行が応募者の情報を見て、連絡し、選考の結果を入力するなら、この委託に当たると読めます。委託元は、委託先でも 23 条と同等の安全管理措置(個人データを守るために行う対策)が行われるよう監督します。

3-4-4 は、委託する業務内容に対して必要のない個人データを提供しないようにすることは当然だ、としています。媒体のアカウントでは、権限がこの範囲を決めます。日程調整だけを任せるなら応募者情報の閲覧に絞った権限を、スカウトの送信を任せるならその機能を含む権限を付けます。共有 ID で渡す場合は、その ID に付いている権限がそのまま委託先の権限になります。

渡し方 選定で確かめること 契約に書くこと 取扱状況の把握
媒体の委託先向けの手続き(Wantedly の覚書) 委託先が媒体の認定企業か。認定企業でなければ覚書を結ぶ 覚書とは別に、使う担当者の届け出と交代時の連絡 会社アカウントのメンバー一覧で、委託先の誰が紐づいているかを見る
委託先の担当者に ID を発行する 委託先の担当者の氏名と人数。退職・交代を届け出る体制 届け出た担当者以外に使わせないこと。担当者の追加・変更の事前の届け出 媒体のユーザー一覧と、委託先から届いた担当者名簿を突き合わせる
共有 ID を渡す 委託先でパスワードを知る人の範囲を答えられるか パスワードを知る人の氏名の届け出。退職・交代時の変更の依頼 委託先の作業記録と、媒体のログイン時刻を突き合わせる

契約に書く 4 つの条項の文例は委託契約に入れるアカウント条項(貸与・共有禁止・記録・返却)の要点にあります。共有 ID を渡すときに委託先へ確かめる 4 点は委託先が「共有 ID で作業しています」と答えたときの確認事項にあります。

職業安定法との関係

採用の委託には、個人情報保護法とは別に職業安定法が関わります。4 条 5 項は、労働者の募集を「自ら又は他人に委託して」勧誘することと定めています。36 条は、労働者を雇用しようとする者が、被用者以外の者に報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない、としています。報酬を与えずに従事させようとするときは、届け出なければならない、としています。採用代行に任せる業務がこの「募集に従事」に当たるかは、任せる業務の中身で決まります。この記事はアカウントの扱いだけを扱うので、当たるかどうかは契約前に厚生労働省か都道府県労働局に確かめてください。

5 条の 5 は、求人者と募集受託者の両方に、求職者等の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で扱い、適正に管理するために必要な措置を行うよう求めています。募集受託者とは、39 条が定める、36 条により労働者の募集に従事する者です。委託先が募集受託者に当たる場合、応募者情報の管理は委託元だけの義務ではなく、委託先自身の義務でもあります。契約に書く安全管理措置は、委託先にとっても法律上の求めに沿うものになります。

契約終了と担当交代のとき

契約が終わる日にすることは、渡し方ごとに違います。発行した ID は消し、共有 ID はパスワードを変えて残る人に配り直します。Wantedly は「メンバー管理」でその担当者の紐付きを解除します。覚書の終了の手続きは公式ヘルプに書かれていないので、Wantedly に確かめます。委託先の端末に残った ID とパスワードは自社の操作では消せないため、消去の報告を受けます。順番と確かめ方は委託終了・担当交代時のアクセス回収チェックリストにあります。

担当交代のときは、その人の分だけを同じ順で行います。委託先の担当者の退職や交代を委託元が自分で知る方法はないので、届け出の義務を契約に入れておきます。届け出がないまま繁忙期を越えると、辞めた人の ID が媒体に残ります。

よくある質問

採用代行に媒体の ID とパスワードを教えてよいですか

媒体の規約で決まります。Wantedly は契約した法人以外の利用を規約で禁じ、代行利用に関する覚書を結べば別の会社が使えます。応募者情報を扱わせるなら 25 条の監督も要ります。

委託先の担当者に自社の媒体 ID を発行してもよいですか

社外の人を登録してよいかは各媒体の規約と契約で確かめます。発行できれば、委託先の誰が登録されているかを媒体のユーザー一覧で確かめられ、終了時はその ID を消すだけです。

採用代行に職業安定法の許可は要りますか

36 条は、被用者以外の人に報酬を与えて募集に従事させるなら厚生労働大臣の許可、報酬なしなら届出を求めています。当たるかは任せる業務の中身で決まるので、契約前に確かめます。

委託先の監督として何を確かめますか

通則編 3-4-4 の 3 点です。委託先を選ぶときの確認、契約に書くこと、契約後の取扱状況の把握です。アカウントでは、使う担当者の一覧、権限の範囲、記録の残り方を確かめます。

契約が終わったら何をしますか

発行した ID を消し、共有 ID ならパスワードを変え、委託先の端末に残った ID とパスワードの消去を確かめます。Wantedly は紐付きを解除します。

Junify の場合

人手で続けると
採用媒体や人事システムのアカウントを担当者ごとに分け、応援要員や採用代行の出入りのたびに発行と停止を行い、応募者の情報に誰が触れたかを残し続けることになります。
Junify なら
Junify は、委託先の担当者にパスワードを渡さずに自社のアカウントを使わせる部分を担います。担当者は自分のスマホで本人確認をしてから使うので、誰が・いつ・どのアカウントを使ったかは一人ひとり残ります。契約が終わる日は、その担当者の割り当てを外すだけです。

参考資料

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