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仮想デスクトップ(VDI)をやめて、ブラウザーだけで済ませられる業務

ブラウザーだけで済ませやすいのは、使うものがすべてウェブのサービスで、ファイルを手元で開かない業務です。ファイルを手元のソフトで開く業務は残るファイルの扱いを決めてから移し、パソコンに入れるアプリが要る業務は仮想デスクトップに残します。

更新日 2026-10-14

仮想デスクトップ(VDI)は、サーバーで動くパソコンの画面を手元に送って使う仕組みです。これをやめてブラウザーだけで済ませやすいのは、使うものがすべてウェブのサービスで、ファイルを手元で開かない業務です。ファイルを手元のソフトで開く業務は、端末に残るファイルの扱いを決めてから移します。パソコンに入れるアプリが要る業務は、仮想デスクトップに残します。

ここでいう「ブラウザーだけ」は、手元のブラウザーでウェブのサービスを直接使うことです。Azure Virtual Desktop(Microsoft のクラウドの仮想デスクトップ)はブラウザーからも開けますが、それは仮想デスクトップを使い続ける形です。

仮想デスクトップが守っているもの

総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」第 5 版は、仮想デスクトップ方式の利点を 4 つ挙げています。1 つ目は、オフィスと同じ業務ができることです。業務のアプリは仮想デスクトップの側に入っていればよく、手元の端末には要りません。2 つ目は、外部のクラウドサービスへの通信も、オフィスのネットワークの安全対策の機器を通ることです。インターネットへの通信をオフィスを通さずに出す構成では、これは当てはまりません。3 つ目は、設定で端末へのデータの保存を制限できることです。4 つ目は、管理者がデスクトップをまとめて管理できることです。

製品の設定では、さらに細かく止めています。Azure Virtual Desktop では、管理者が設定で決めます。手元の端末とのあいだで、クリップボード(コピーした内容の一時置き場)、ドライブ(手元のパソコンのディスクや USB メモリ)、プリンターをつなぐかどうかです。対応する接続アプリでは、画面の撮影と画面共有で中身を隠す設定もあります。カメラで画面を撮られた場合に備えて、どの接続かを調べられる QR コードを透かしとして画面に重ねる設定もあります。

同じガイドラインの方式どうしの比較表では、管理のしやすさは仮想デスクトップ方式が最も高く、ウェブのサービスを直接使うクラウドサービス方式が最も低い評価です。一方で「高額なシステム導入が必要」とされ、全員がオフィスにつなぎ続けるので通信回線の影響も受けやすいとされています。やめられるかは、どの守りをどの業務で使っているかで決まります。

業務を 3 つに分ける

ウェブのサービスだけで終わる業務

SaaS(インターネット経由で使う業務ソフト)の画面で入力や設定をして終わる業務です。ガイドラインのクラウドサービス方式に当たります。ガイドラインは、この方式ではサービスから端末にデータを保存できるため、持ち出しや紛失による漏えいへの対応が要るとしています。オフィスを通らないので誰がどう使ったかもつかみにくく、ガイドラインはサービスへのアクセスや操作の記録を取って定期的に確かめるよう勧めています。仮想デスクトップが止めていたダウンロードなどは、サービスの権限かブラウザーの側で止めることになります(SaaS のファイルのダウンロードを禁止・制限する方法)。

ウェブのサービスと手元のファイルを行き来する業務

サービスから表の形のデータを書き出し、表計算ソフトで加工して取り込み直す、といった業務です。ファイルはいったん端末に移ります。表計算もウェブのサービスで済むなら、1 つ目の業務に移せます。手元のソフトで開く必要があるなら、ファイルを置く場所と消す時期を決めて端末に残るのを受け入れるか、仮想デスクトップに残すかを選びます。

パソコンに入れるアプリが要る業務

パソコンに入れて動かす業務ソフトが要る業務です。そのソフトにブラウザーで開ける画面がなければ、ブラウザーだけでは代わりになりません。ガイドラインも、セキュアブラウザ方式(制限をかけたブラウザーで仕事をする方式)では、ブラウザーで動くアプリに業務が限られるとしています。

ブラウザーの側でできる管理

仮想デスクトップの制限の一つ一つに、ブラウザーの側で代わりがあるかを見ます。Chrome の場合、Google は有料の Chrome Enterprise Premium で次の制限ができるとしています。クリップボードに当たるのはコピーと貼り付け、ドライブにはダウンロードとアップロード、プリンターには印刷の制限です。画面の撮影の防止と透かしも、機能に挙がっています。

制限がかかるのは、管理しているブラウザーを通った利用だけです。別のブラウザーやスマホのアプリから入れば、かかりません(セキュアブラウザとは)。

端末に残るものの違い

仮想デスクトップでは、作業はサーバーの側で動き、端末には画面が送られてきます。ブラウザーで直接使うと、閲覧の履歴、クッキー(ログインした状態などを覚えておくデータ)、ブラウザーに保存したパスワード、ダウンロードしたファイルなどが端末に残ります。

閉じると消える窓でも、ファイルは残ります。Chrome のシークレットウィンドウは、すべて閉じるとクッキーや閲覧の記録を消しますが、公式ヘルプによればダウンロードしたファイルは消すまで残ります。ガイドラインもセキュアブラウザ方式について、製品によってデータが消えるタイミングが違い、意図せず端末に残るおそれがあるとしています。詳しくは私物端末に残る業務の情報と、残さずにウェブサービスを使わせる方法にまとめています。

組み合わせて使う

ガイドラインは、複数の方式を組み合わせて使う場合も想定しています。1 つ目の業務はブラウザーに移し、3 つ目の業務は仮想デスクトップに残し、2 つ目は業務ごとに決める形です。クラウドに置いた仮想デスクトップは使う人の増減に合わせて縮められるとガイドラインはしており、ブラウザーに移した人の分だけ規模を小さくできる余地があります。

やめる前に確かめること

  1. 業務ごとに、開くアプリとファイルを書き出す

    日々の作業で開くものを、ウェブのサービス、手元のファイル、パソコンのアプリに分けます。

    なぜ
    3 つのどれに入るかで、ブラウザーに移せるかが決まるためです。
  2. 仮想デスクトップで有効にしている制限を書き出す

    クリップボード・ドライブ・プリンターをつなぐか、画面の撮影を止めているか、透かしを出しているかを確かめます。

    なぜ
    ブラウザーの側に代わりがあるかを、一つずつ比べるためです。
  3. 会社のネットワークからしか入れないサービスがないか確かめる

    会社のネットワークからのログインだけを受け付ける設定のサービスは、ブラウザーで直接使うと社外から入れなくなります。

    なぜ
    通信がオフィスのネットワークを通る構成では、その出口からの接続だけを許していることがあるためです。
  4. ブラウザーの管理が届く端末を決める

    会社が登録したパソコンに限るか、会社のアカウントでログインした Chrome まで認めるかを決めます。

    なぜ
    公式ヘルプによれば、Chrome の設定が届くのはこの 2 つだけで、私物のパソコンに届けるには後者を認めることになるためです。ガイドラインも、私物端末でセキュアブラウザ方式を使うなら、利用のルールを決めて端末の安全対策を確かめるよう求めています。
  5. パスワードを知っている人を確かめる

    ID とパスワードで入るサービスで、担当者がパスワードを知っているかを確かめます。

    なぜ
    パスワードを知っていれば、管理しているブラウザーを通らずに、ほかの端末から入れるためです。
  6. 一部の業務で先に試す

    1 つ目の業務から移し、ブラウザーでできない作業が出ないかを確かめます。

    根拠
    ガイドラインは、セキュアブラウザ方式では、導入する製品でどんな業務ができるかを確かめる必要があるとしています。

よくある質問

仮想デスクトップをやめると費用は下がりますか

クラウドに置いた仮想デスクトップなら、総務省のガイドラインのとおり使う人の増減に合わせて縮められ、移した人の分だけ小さくできる余地があります。社内のサーバーに置いた場合は、利用者が減っても買った機器は残ります。

ブラウザーで直接使うと端末に何が残りますか

閲覧の履歴、クッキー、ブラウザーに保存したパスワード、ダウンロードしたファイルなどです。Chrome のシークレットウィンドウは閉じると履歴とクッキーを消しますが、ファイルは消すまで残ると公式ヘルプは書いています。

画面の撮影はブラウザーでも止められますか

ブラウザーの製品にもあります。Google は有料の Chrome Enterprise Premium に、画面の撮影の防止と透かしがあるとしています。かかるのは、管理しているブラウザーを通った利用だけです。

パソコンに入れるアプリが要る業務はどうしますか

仮想デスクトップに残します。総務省のガイドラインも、セキュアブラウザ方式ではブラウザーで動くアプリに業務が限られるとしています。

Junify の場合

人手で続けると
SSO や多要素認証を入れても、対応していないサービスと共有のまま残るアカウントは手作業に残り、どこまでを仕組みで覆えているかを自分で把握し続けることになります。
Junify なら
仮想デスクトップをやめて社外から直接入れるようにすると、共有アカウントのパスワードを知る人は、どの端末からでも入れます。Junify は導入時にパスワードを変えて Junify だけが持ち、担当者に見せずにログインさせるので、退職のたびに変えて配り直す作業がなくなります。ダウンロードはアカウントごとに禁止でき、誰が・いつ使ったかが一人ずつ残ります。

参考資料

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