Google 広告の MCC(クライアント センター)で代理店アクセスを整理する
クライアントのアカウントを MCC にリンクし、担当者は MCC のユーザーとして招待します。担当交代は MCC 側でその人のアクセス権を削除すれば済み、クライアントのパスワードは受け取りません。
Google 広告には、代理店が複数のクライアントのアカウントをまとめて扱うための MCC(クライアント センター)アカウントがあります。権限付与の 3 つの要素(権限の種類・招待・取り消し)がこの媒体で揃っていることは定義記事に書きました。この記事では MCC を使うときの実際の作業を扱います。クライアントのアカウントのリンク(MCC につなぐこと)、担当者ごとのユーザー、担当交代時の操作、MCC 側とクライアント側の分担です。書いている事実は、Google 広告ヘルプで確認した範囲です。
MCC とクライアントのアカウントのリンク
MCC は、Google 広告ヘルプでは「代理店などのお客様が、複数の Google 広告アカウントを簡単に管理するためのツール」と説明されています。既存のアカウントをリンクしても、元の履歴はそのまま残ります。クライアント側のユーザーは従来のログイン情報でアクセスできます。統合請求(複数のアカウントの請求を MCC でまとめて受ける設定)を設定しない限り、請求方法と支払い方法は変わりません。
リンクの操作は両側で 1 回ずつ要ります。MCC の管理者が「サブアカウントの設定」からクライアントの顧客 ID(アカウントごとの番号)を入力し、リンクのリクエストを送ります。クライアント側のアカウントの管理者が「管理者」メニューの「アクセスとセキュリティ」の「管理者」タブで承認または拒否します。
リンクの解除は MCC 側からもクライアント側からもでき、どちらも管理者権限が要ります。解除すると MCC からそのアカウントにアクセスできなくなりますが、履歴は保持されます。MCC が支払い元となる月次請求を設定していた場合は、解除後に広告掲載が停止します。MCC の共有タグ(広告の成果を測るために Web サイトに置く仕組み)を使っている機能にも影響が出ます。サイトを訪れた人に再び広告を出すためのリマーケティング リストや、複数のアカウントにまたがる成果の計測(クロスアカウントのコンバージョン トラッキング)です。契約終了で解除する前に、請求とタグの状態を確認します。
担当者ごとのユーザーと MCC のアクセス権
MCC を使う代理店では、担当者を置ける場所が 2 つあります。MCC 自体のユーザーとして招待する形と、クライアントのアカウントに直接招待する形です。担当者を MCC のユーザーにしておけば、招待も削除も代理店側で完結します。
MCC のユーザーのアクセス権(Google 広告での権限の呼び名)は、クライアント側の Google 広告アカウントのアクセス権とは別に定義されています。クライアント側の 5 段階は定義記事に書きました。違いは「階層の管理」ができるかどうかです。階層の管理とは、クライアント アカウントのリンクと解除、ユーザーの招待とアクセス権の変更といった管理操作を指します。
| アクセス権 | できること(公式ヘルプの説明) |
|---|---|
| 管理者 | アカウントのすべての部分を表示、編集、管理する(階層の管理を含む) |
| 標準 | アカウントのすべての部分を表示、編集、管理する(階層の管理を除く) |
| 読み取り専用 | MCC アカウントを閲覧する。リンクされたクライアント アカウントの閲覧、レポートの実行、通知メールの受信 |
| メール専用 | MCC アカウントの通知メールを受信する |
| 請求情報 | お支払い情報を表示、編集する(同じヘルプの詳細表では「お支払いに関するアクセス権限」と表記) |
入稿と運用を行う担当者は標準、レポートだけを見る人は読み取り専用、リンクとユーザーを扱う責任者だけを管理者にすると、業務に要る範囲に収まります。
招待は「管理者」メニューの「アクセスとセキュリティ」から、メールアドレスとアクセス権を指定して送ります。相手が承諾すると招待者に通知が届きます。自分のアクセス権の段階を超えるアクセス権は付与できないので、管理者権限を渡せるのは管理者だけです。
ヘルプの規定ではありませんが、ユーザーは担当者ごとに 1 つにしておきたいところです。複数の担当者が 1 つの Google アカウントを共有して MCC に入ると、Google 広告側の記録がその 1 つのアカウント単位になるからです。誰の操作かを分けられません。
管理者の人数については、Google 広告アカウントのアクセス権のヘルプが、管理者をもう 1 人追加することを勧めています。管理者が 1 人しかいないと、その人が対応できなくなったときにタグにアクセスできなくなる可能性があるためです。MCC 側からクライアント アカウントの管理者を入れ替えられるかは、これとは別の条件で決まります。同じヘルプによれば、MCC がそのアカウントのオーナー(後の節で説明)に設定されている場合は別です。その MCC の管理者権限を持つ人が、アカウント内のユーザーのアクセス権と管理者を編集できます。
担当交代のときに MCC 側でできること
担当者が MCC のユーザーであれば、担当交代の操作は MCC 側だけで済みます。MCC の管理者が「アクセスとセキュリティ」でその人を探し、「アクション」列の「アクセス権を削除」を選びます。まだ承諾されていない招待は同じ列の「取り消し」で無効にできます。クライアントに頼む作業はありません。
担当者をクライアントのアカウントに直接招待していた場合は、削除の操作をそのアカウントの管理者が行います。クライアント側の管理者に頼むか、次の節のオーナー権限を MCC が持っていれば MCC の管理者が行えます。どちらの形で入れたかをアカウントごとに控えておかないと、担当交代時に削除の漏れが出ます。
MCC 側とクライアント側のどちらで何ができるか
MCC が既存のアカウントにリンクしただけでは、そのクライアント アカウントの「オーナー権限」(MCC がそのアカウントの所有者として扱われる権限)は付与されません。オーナー権限は、クライアント アカウントの管理者権限を持つユーザーだけが MCC に指定でき、所有者として指定できる MCC は 1 つに限られます。所有者に指定された MCC の管理者は、クライアント アカウントに対して次の操作ができます。管理者ユーザーの招待と削除、ユーザーへの管理者権限の付与と取り消し、リンク リクエストの承認と拒否などです。
| 操作 | MCC 側 | クライアント側 |
|---|---|---|
| リンクのリクエスト | MCC の管理者が送る | — |
| リンクの承認・拒否 | 所有者 MCC の管理者なら可 | アカウントの管理者 |
| リンクの解除 | MCC の管理者 | アカウントの管理者 |
| MCC のユーザーの招待・変更・削除 | MCC の管理者 | — |
| クライアント アカウントの直接ユーザーの招待・削除 | 所有者 MCC の管理者のみ | アカウントの管理者 |
| オーナー権限の指定・解除 | 所有者 MCC の管理者は無効化(外す)と譲渡(別の MCC に渡す)が可 | アカウントの管理者が指定 |
| 請求と支払い方法 | 統合請求を設定した場合に MCC 側 | 設定しなければ従来どおり |
リンクの承認とオーナー権限の指定はクライアント側の管理者の操作です。代理店側で先に整えておけるのは、MCC のユーザー構成とアクセス権の割り当てまでです。
権限付与でまかなえないもの
リンクの承認はクライアント側の管理者の操作です。それが進まない間は、受け取った ID とパスワードで直接ログインする運用が残ります。その状態で何を決めておくかは運用代行のクライアントアカウント管理にまとめています。
もう 1 つの制限は数の上限です。1 つのメールアドレスに結びつけられる Google 広告アカウントは、MCC を含めて最大 20 個です。担当者を各クライアントのアカウントに直接招待していくと、クライアント数が増えたところでこの上限に当たります。MCC のユーザーとして入れておけば、担当者のメールアドレスに結びつくのは MCC だけで済みます。
よくある質問
MCC にリンクすればクライアントのパスワードは不要ですか
不要です。担当者は自分の Google アカウントで MCC にログインし、リンクされたアカウントを扱います。リンクの承認はクライアント側のアカウントの管理者が行い、パスワードのやり取りは生じません。
担当者が辞めたとき、クライアントに何か頼みますか
MCC のユーザーとして招待していれば、MCC 側でその人のアクセス権を削除するだけで済みます。クライアントのアカウントに直接招待していた場合は、そのアカウントの管理者に削除を頼みます。
リンクを解除するとクライアントのデータは消えますか
消えません。アカウントの履歴は保持され、Google 広告の機能はそのまま使えます。ただし MCC が支払い元の月次請求を設定していた場合、解除後はそのアカウントの広告掲載が停止します。
MCC の「標準」と「管理者」は何が違いますか
階層の管理ができるかどうかです。管理者はアカウントのリンク・解除やユーザーの招待・削除を行えます。標準はそれ以外の表示・編集・管理ができます。
MCC の管理者は 1 人で足りますか
公式ヘルプは、タグの管理が途切れないよう、管理者をもう 1 人置くことを勧めています。MCC 側からクライアント アカウントの管理者を編集できるのは、その MCC がオーナーに設定されている場合です。
Junify の場合
- 人手で続けると
- クライアントごとに渡し方を決め、担当替えのたびに権限を付け外しし、どの担当者がどのクライアントのアカウントを使ったかを媒体ごとに追い続けることになります。
- Junify なら
- Google 広告のように MCC で担当者を招待できる媒体では、権限付与を使うのが先です。Junify は、権限付与のない媒体や、クライアント側の承認が進まず ID とパスワードを預かるしかないアカウントで使います。管理者が登録し、担当者はパスワードを見ずにログインし、利用は担当者ごとに記録されます。
参考資料
- Google 広告ヘルプ「クライアント センター(MCC)アカウント: Google 広告 MCC アカウントについて」
- Google 広告ヘルプ「アカウントとクライアント センター(MCC)アカウントのリンクについて」
- Google 広告ヘルプ「アカウントを MCC アカウントにリンクする」
- Google 広告ヘルプ「MCC アカウントからアカウントのリンクを解除する」
- Google 広告ヘルプ「クライアント センター(MCC)アカウントからのアカウントのリンク解除について」
- Google 広告ヘルプ「MCC アカウントのユーザー アクセス権について」
- Google 広告ヘルプ「MCC アカウントのユーザーとアクセス権を管理する」
- Google 広告ヘルプ「クライアント アカウントのオーナー権限について」
- Google 広告ヘルプ「Google 広告アカウントのアクセス権の概要」
- Google 広告ヘルプ「Google 広告アカウントへのアクセス権を管理する」
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