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運用代行のクライアントアカウント管理

運用代行の作業記録を、クライアントにどう報告するか

媒体の操作履歴から日時・担当者・操作を抜き出して報告に添えます。媒体の履歴で担当者まで分からない共有 ID のアカウントは社内の作業記録で補い、各行がどちらに基づくかを書き分けます。

更新日 2026-10-13

作業報告で「誰が・いつ・何をしたか」を示す材料は 2 つあります。媒体(Google 広告や LINEヤフー広告などのサービス)が残す操作履歴と、運用代行会社が自分でつける作業記録です。報告では、各行がどちらから取ったものかを書き分けます。媒体の履歴は担当者の申告によらずに残る記録で、作業記録は社内の申告だからです。以下は毎月の定例の報告の話です。事故のあとの報告と、預かり方ごとに記録に残るものの違いは誤投稿・誤設定のあとに原因を追える運用と追えない運用にまとめています。

クライアントが作業の記録を求める理由

預かる業務に個人データの取扱いが含まれると、クライアントは個人情報保護法 25 条により、委託先を監督する義務を負います。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)3-4-4 は、監督の中身として 3 つの措置(委託先の選び方、委託契約、委託先での扱いの把握)を挙げています。記録に関係するのは、そのうち 2 つです。1 つは、委託元が扱いの状況を把握できることを委託契約に盛り込むことです(同 (2))。もう 1 つは、定期的な監査などで、契約が守られているかを調べて評価することです(同 (3))。どちらも「望ましい」という書き方なので、報告の頻度や形は契約で決まります。作業報告に記録を添えてほしいという依頼は、この把握の方法の一つと読めます。個人データを扱わない投稿代行では、記録を求める根拠は契約と取引の慣習になります。どちらに当たるかは運用代行におけるアカウントの預かりとはで整理しています。

運用代行会社の側にも、記録をつける理由があります。ガイドラインの別添 10-3(2) は、取扱いのルールが守られているかを確かめるために、利用状況などを記録することも重要としています。記録の手段の例は、システムの記録の整備や業務日誌の作成です。記録する項目の例示には、担当者の情報システムの利用状況(「ログイン実績、アクセスログ等」。誰がいつ入り、何を見たかの記録)が含まれています。社内で残した記録を、そのまま報告の材料にできます。

媒体の操作履歴で分かること

Google 広告・Meta・LINEヤフー広告・Shopify には、誰が何を変えたかを残す画面があります。公式ヘルプで確かめた範囲を並べます。

媒体と画面 「誰が」の欄に出るもの さかのぼれる範囲 ファイルで取り出せるか
Google 広告の変更履歴 変更したユーザーのメールアドレス 過去 2 年 ヘルプに記載なし
Meta 広告マネージャのアクティビティ履歴 変更した人の名前 ヘルプに記載なし ヘルプに記載なし
Meta Business Suite のビジネス履歴 操作した人の名前と ID 期間を選んで書き出す(上限は記載なし) CSV(全権限が要る)
LINEヤフー広告(検索広告)の操作履歴 操作したビジネス ID 今日を含め 366 日前まで できる(管理権限か登録更新権限が要る)
Shopify のストアのアクティビティログ 操作した担当者・アプリ・チャネル 最大 250 件 できない

表の「全権限」は、Meta のビジネスポートフォリオ(広告アカウントやページをまとめて管理する画面)のすべてを管理できる権限です。「ビジネス ID」は、LINEヤフーの事業者向けサービスに入るための ID です。Meta のビジネス履歴に残るのは、メンバーの追加や役割の変更、パートナーへのアクセスの付与などです。広告の中身の変更を確かめるときは、広告マネージャのアクティビティ履歴を開きます。

表を報告に使うときに気をつける点は 3 つあります。

共有 ID のアカウントで担当者を示す方法

1 つの ID を担当チームで使っているアカウントでは、媒体の履歴の「誰が」はその ID だけです。担当者の名前は、運用代行会社の側の記録で補います。作業記録には、操作のたびに、日時・アカウント・担当者・操作の内容・誰の依頼かを書きます。

作業記録は本人の申告なので、つけ忘れた操作は残りません。そこで、月に一度、媒体の履歴と作業記録を日時で並べて照らし合わせます。媒体の履歴にあって作業記録にない行は、担当者が記録をつけなかった操作か、同じ ID を使うクライアント側の操作です。その行は担当者とクライアントに確かめ、確かめられなければ「担当者不明」のまま報告します。推定の名前を、確かな記録のように書くのは避けたいところです。

もっとも、照らし合わせは招待に切り替えるまでのつなぎです。招待の仕組みがある媒体では、担当者ごとに招待を受ければ、媒体が履歴を残す範囲で担当者が残ります。しかも、LINEヤフー共通利用規約と Meta の利用規約は、パスワードを他人に教えることを禁じています。照らし合わせに頼るのは、招待の仕組みがない媒体と、切り替えが済むまでのアカウントに限ります。招待の仕組みは権限付与(アカウントを共有しないアクセス)とはで説明しています。

報告に載せる項目

  1. 対象の期間とアカウント

    報告がどの期間の、どのアカウントについてかを最初に書きます。

    なぜ
    操作のなかったアカウントも、操作がなかったと分かるようにするためです。
  2. そのアカウントに入れる人

    期間中に入れた担当者と、追加・外した日を書きます。Meta Business Suite では、全権限を持つメンバーが、メンバーごとの役割と前回のログイン日を書き出せます。

    なぜ
    操作の一覧に出る名前が、許された人の中にいるかを確かめられるようにするためです。
  3. 操作の一覧

    日時・担当者・操作の内容(予算の変更、入稿、投稿、設定の変更など)を並べます。

    なぜ
    契約で任された範囲の作業だったかを、クライアントが確かめられるようにするためです。
  4. 各行の出どころ

    媒体の履歴から取った行か、社内の作業記録から取った行かを書きます。

    なぜ
    確かめ直すべき行を、クライアントが見分けられるようにするためです。
  5. 担当者の操作ではない変更と、照らし合わせで残った行

    自動ルール・媒体の仕組み・クライアント自身による変更と、担当者を確かめられなかった操作を別に書きます。

    なぜ
    担当者の作業に混ぜると、誰の操作かを取り違えて伝えることになるためです。

記録を取り出す時期

媒体の履歴は、時間がたつと取り出せなくなります。さかのぼれる範囲は表のとおり媒体ごとに限りがあり、Shopify のストアのアクティビティログは書き出せません。そこで、報告のたびに媒体の履歴を取り出し(書き出せない画面は写し取り)、作業記録と一緒に社内に保管します。担当者を外す日は、外す前にその人の分を取り出します。Meta 広告マネージャのように、外したあとは名前が残らない媒体があるからです。こうしておけば、半年後に問い合わせを受けても、そのときの記録で答えられます。

よくある質問

共有 ID での操作を、担当者名で報告できますか

媒体の履歴には共有している ID しか出ないので、担当者名は社内の作業記録から書きます。報告では、その行が媒体の履歴ではなく作業記録に基づくことを書き分けます。

媒体の操作履歴はどこまでさかのぼれますか

媒体ごとに違います。公式ヘルプでは、Google 広告は過去 2 年、LINEヤフー広告の検索広告は今日を含め 366 日前まで、Shopify のストアのアクティビティログは 250 件までです。

担当者を外したあと、履歴の名前はどうなりますか

Meta 広告マネージャでは、広告アカウントから外されたメンバーの変更は「Meta」と表示されます。担当者を外す前に、その人の操作を写し取っておきます。

作業記録の報告は法律上の義務ですか

個人データを扱う委託では、クライアントに委託先の監督義務があります。ただしガイドラインは、取扱状況の把握を契約に盛り込むことや定期的な監査を「望ましい」としており、報告の形は契約で決めます。

Junify の場合

人手で続けると
クライアントごとに渡し方を決め、担当替えのたびに権限を付け外しし、どの担当者がどのクライアントのアカウントを使ったかを媒体ごとに追い続けることになります。
Junify なら
報告の前に、共有 ID の履歴の行ごとに誰の操作かを担当者に聞いて回る確認は、Junify で要らなくなります。導入時にクライアントと相談してパスワードを変え、Junify だけが持てば、入れるのは Junify を通した担当者だけです。誰がいつ開いたかが残り、媒体の履歴の日時と並べれば開いていた人が分かります。管理者が録画を付けたアカウントは、何をしたかを AI の要約つきで確かめられます。

参考資料

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